追分の住宅 A邸

リビングから東側の個室を見る
リビングから東側の個室を見る

8月のはじめに撮った竣工写真の整理にようやく本腰を入れて、なんとか「WORKS」のページを更新した。あいかわらず自分の担当した建物の写真を撮るのは苦手で、そうすると撮った写真の整理もなかなか進まない。3次元の空間ができあがるまでに考えたり思ったりしたことの量も多いし、関わった時間も長い(そうすると4次元と言えるのかな?)しで、それらすべてを2次元の情報として切り取ったり評価したりしようとすると混乱するらしい。
そして相変わらず勉強不足で下手な写真ですが、よろしかったらご覧ください。→WORKS

若いご夫婦と元気な3人のお子さん達の新居の計画で、風通しの良い落ち着いた敷地だなという第一印象だった。東側が道路、西側が駐車場で開け、南側の正面に隣家、北側はいまのところ林の空き地で、南の隣家との関係を考えながら、どのようになるべく日差しの入る家にするかが主なテーマだというのが、クライアントとの共通認識となった。また、奥様とお話ししてみて、お仕事や子育てにお忙しい普段のライフスタイルや、動きやすく、すっきりと通りの良い室内を好まれることなども分かってきたので、それに合わせたプランになった。

道路側外観。手前の小さい屋根がダイニングキッチン。
道路側外観。手前の小さい屋根がダイニングキッチン。
ダイニングキッチンから東の開口を見る。
ダイニングキッチンから東の開口を見る。

家は3つのブロックに分かれ、中央ブロックがダイニングキッチン、リビング、トイレ浴室など共有スペース。左右のブロックをそれぞれ個室にした。
ダイニングキッチンは南側に飛び出していて、お隣の家に面する真南の開口は明かりとり程度の細い窓にし、東西にとった空地に対して大きめの開口にした。左右の個室の南面の開口もその空地に面している。いまはまだ植栽をしていないので、空地をこえて隣地まで開放的になってしまっているが、植栽スペースに樹木が育っていけば、それぞれの開口の前に緑に囲われた空地ができて、軽井沢らしい緑と一体の明るい室内になる予定だ。

 

 

 

小さいお子さんたちの将来の部屋分けがどうなるかまだ分からないので、2つの個室エリアは今のところ仕切らずのびのび使って、間仕切りは必要になった時に考えることに。間仕切りの下地だけは想定して入れておき、仕切っても各個室に2か所は開口があって通風をとれるように窓を配置した。(写真はクリックで拡大します)

東の個室。
東の個室。
ロフト。
ロフト。
通気窓と収納。
通気窓と収納。
ロフトから見下ろす。
ロフトから見下ろす。
ロフトから見下ろす2。
ロフトから見下ろす2。

西側の個室。
西側の個室。
奥の引き戸はキッチン方面、手前はトイレ方面。
奥の引き戸はキッチン方面、手前はトイレ方面。
お隣の家や隣地駐車場との間は今後の植栽エリア。
お隣の家や隣地駐車場との間は今後の植栽エリア。

 

 

中央ブロックの真ん中のエリアは、直接外部に面さないかわりに、キッチン上の高窓(この高さになるとお隣の影響はほとんどない)から、斜め天井に沿って光が拡がる。ここにはリビングと、ウォークインクローゼットの小部屋を配置した。リビングにいるときに広々感じられるよう、また、クローゼット裏手の廊下や洗面コーナーにも高窓からの光が拡がるように、ウォークインクローゼットは閉じた箱状に作って屋根まで立ち上げていない。箱の周りをくるっと周りながらの家事動線は、鬼ごっこやかくれんぼにも向いています。盛り上がりすぎてぶつかりませんように。

↓リビングからクローゼットの周りを1周してリビングに戻るツアー。(写真クリックでスライドショーになります)

 

 

約30坪とそれほど大きくなく、各所の引き戸を開けておけば家中の気配がゆるくつながる開放的な住宅だが、大きい場所と小さい場所、高い場所と低い場所、閉じると壁のように感じるプレーンな引き戸、クローゼットの箱の裏などの存在で、明るくも変化のある空間になったように思う。

↓開いたときと閉じた時。(写真クリックでスライドショーになります)

引渡しの取り扱い説明のあいだ歓声をあげて走り回っていたお子さん達がふと気づくと静かになっていて、どこ行ったかなと何気なく見たら一番上のお子さんは玄関のベンチにすっぽりはまって本を読みながらそのまま昼寝していた。これからご家族それぞれにこの家を楽しみながら長い時間を過ごしていただければと思います。こんな楽しいご一家の家づくりに関われたご縁に感謝しつつ。

 

↓アプローチから玄関、玄関収納(奥様が買ってあった照明器具をつけさせてもらいました)、ベンチ、リビングから玄関を見る。(写真クリックでスライドショーになります)