体操

ここにも春の雪が降りました。光が明らかに冬より強く、同じ白い雪景色でも違いを感じます。
ここにも春の雪が降りました。光が明らかに冬より強く、同じ白い雪景色でも違いを感じます。

陽がぐんぐん長くなって、地面がじわじわ熱をたくわえ始めている。2、3日前の冷え込んだ朝に車の周りに霜柱ができていたが、かちかちに凍っている冬の間は霜柱はほとんど見なかったと思う。日中に土がとけてそれがまた凍ったから霜柱になるはずで。

この時期になると、どこを車で走っても、庭先や畑でなにかと作業をする人影が増え、飛んでくる鳥も巣作りの下見か賑やかになり、人も動物もそわそわし始めるのは同じだなとおもしろい。私自身もなんとなく体を動かしたくなる気分と、しばらく休止されていたヨガのクラスが3月から再開というお知らせが重なって、はりきって早めに予約し、さぼっていたけど動けるかなあなどと楽しみにしていた。

この冬はほとんどなかった「起きたら雪景色、しかも晴れ」のシチュエーション。
この冬はほとんどなかった「起きたら雪景色、しかも晴れ」のシチュエーション。

それがコロナウィルスの影響がみるみる拡大して、公民館も閉館となり、再開延期となってしまった。ではあたたかくなってみたし、歩いたり走ったりみようかと思うと、春一番で目を開けていられない強風だったり、急な寒の戻りだったり、花粉症の始まりだったり、外に行けない理由(あるいは言い逃れ)が次々出てくる。とはいえ、きちんとした方たちは冬の間も毎日ウォーキングされていて、自分の気概のなさに恥じ入るばかりですが。

きらきらひかる雪と青空に、犬のようにテンションが上がる。
きらきらひかる雪と青空に、犬のようにテンションが上がる。

それで苦肉の策で、ラジオ体操はじめました。といっても6時半ではなくて、自分に都合の良い朝の時間に、音に合わせて全力でやってみている。子供や学生の頃のように何となくやらされて、ではなく、全力でやってみると、はじめのうちは、「はずんだ呼吸を整えるように!」という解説も納得、たしかに息があがる。しかしなんだか愉快。思いがけず続いて、一週間も経つと全力で体操しながらしゃべれるくらいの余裕が出て来た。

上がったのは動物も同じか。弾むような足取りの大きめの足跡は、歩幅が猫の体長くらいあり、一度窓から見かけたキツネかと。
上がったのは動物も同じか。弾むような足取りの大きめの足跡は、歩幅が猫の体長くらいあり、一度窓から見かけたキツネかと。

一昨日からは、第一だけでなく第二にも手を出して、こちらは学校で習っていないので、ところどころ我ながら怪しい動きをしているが、やはり愉快。そうこうしていたら、たまにのぞく「ほぼ日」(ほぼ日刊イトイ新聞)にも大人のラジオ体操のコンテンツが再掲されて、在宅勤務が増えている今、こんな人が多いのだと思われ、形のない不安にストレスが溜まる日々ですが、それぞれ孤独に部屋にこもっている人たちとの不思議な連帯感が感じられて面白い。

とはいえ、窓の前の道を通る人に全力ラジオ体操を見られるとやはりちょっと恥ずかしいので、その時はブラインドを閉じめにしています。