花が咲いたり上棟したり

ツツジ
近所のカラマツ、その下の白い花の何かと、ツツジ。

ふわっとカラマツが芽吹いたと思ったらあっという間に一人前の葉っぱになって、5月晴れの空に堂々と緑の梢を広げている。

その足元で色々な樹木の花が勢い良く咲いていて、外に出るとふわーっと花の芳香が漂う。また車のボンネットが花粉で黄色くなる季節になりました。

 

よく通る道路沿いに、この季節になるとものすごくカラフルになる場所がある。たぶん畑の所有者の方が楽しみで植えたのだろう。

周りの木々が芽吹く前はまず足元の芝桜が色づき、こうして緑が出揃う頃には、ツツジ、ヤマブキ、ハナモモなどがぎっしり咲きそろう。御代田に来て3回目の春だが、毎年びっくりしているので、今年はじめて写真に撮ってみた。

どぎつい色の一面の芝桜や、公園や庭園で刈り込まれたピンクや紫のツツジの類は正直なところ苦手なのだが、広々した畑の中の道路沿いで、しかも背景にカラマツの木立や浅間山の裾野が広がるこの場所で咲き乱れているのは、素直に見事だなあと思う。

カラフル
毎年、春にカラフルになる場所。

3月末に地鎮祭をした住宅が、上棟した。

実はコンクリート造でも木造でも、構造だけのがらんどうの状態が特に好きで、このまま住めればいいのに、といつも思う。特に5月晴れの気持ちよい昼間に見てしまうと、壁を貼るのも残念な気持ちになる。もちろん現実にはそうもいかなくて、ここに色々取り付けて建物として仕上がっていく。(がらんどうの状況に住むよほどの覚悟か、がらんどうのように見せるためのよほどの資金があれば別ですが)

実際、次に現場に行った時は、冷たい雨の降る日だったので、壁と断熱材、大歓迎!と思った。

木造
がらんどうの状態、木造版。

久しぶりの木造の新築現場で、建て方を始めてからの立ち上がりの速さをあらためて実感した。図面を書いたり、その後の調整をしたりにあれだけ時間をかけたのに、組み立てるのはこんなに早いのか、、、私が模型を作るより早いかもしれない。

とはいえ、その前に工場で木材を準備したり加工したりする期間があったからこそのスピードなわけで、さらにその木材が育つところから考えれば30年以上(たぶん)の時間の蓄積があって、いまここに立ち上がっているとも言える。そう考えてみると、生き物である植物を直接材料に使う木造の建物がなんとなく不思議な存在に思えてきたりする。

上棟。
上棟。木造は立ち上がるのが早い。

この冬は、いちばん日が当たるところに鉢植えを集めてみた。机の作業スペースと私の通り道はだいぶ犠牲になったが、昨年のように弱らせることもなく皆で春を迎えられた。ヘデラなどは、これまで見たこともないくらいの大きな葉になって、なんか今まで足りなかったんですね、すみません、という気持ちになっている。

越冬
日射の特等席で冬を越えた人たち。

毎年繰り返される四季の移り変わりだけれど、毎年すこしずつ違う様相を見せてくれるし、受け取る自分の状態も毎年違うしで、飽きそうで飽きない。

朝日
出揃った葉っぱが朝日で映し出される。