初めて関東平野を出て暮らす御代田での日々。設計の仕事。
茶色一色だった地面に、3月に入ってぷつぷつと緑の草の芽が見えてきた。とはいえ3月半ばはまだまだ茶色。ここより少し標高が低く少し暖かい佐久の実家から、庭で福寿草が咲いたから分けてあげようか、と言われ、喜んでもらってきた。
柔らかそうな葉の緑も、日差しをため込んだような暖かい黄色の花も、まだまだ色味のない御代田の庭では目にしみる。
窓から見えるところに植えてほくほくし、植えた後に冷え込んだり霜が降りたりして、ここでは枯れてしまうのではないかと朝が来るたびに心配したが、朝はぺったりして花を閉じていても、昼までには日を浴びてしっかり立ち上がる。
そうこうするうちに3月も終わりが近づき、庭の草の芽もしっかりしてきた。